居抜きの物件を探して、小さな喫茶店を始めた
昼のランチにサラリーマンが来るように都心部で開業

お金は、全部で400万かかった
最初は、物珍しき店に客は訪れていた
が
次第に、客足は途絶えていった
ランチといえど素人が作ったもの
つまり、うちの店は強みがなかった

次第に赤字に転落していった
ギクシャクとした関係が続いている中、私は会社を退職した
そして、嫁は、そんな私を見て、逆切れする

私は、夢に協力してくれるものとばかり思っていた


それが、私の夢だけでなく家族の夢であるとも思っていたのに

みんなで幸せにならないと意味ないのに
家庭内は、更に私の退職を機に悪くなっていった。
私の精神は、完全に病んできたのが解った。妻が出す料理にも、何か毒が盛られているかも・・・・とか。
会社に行くときのスーツにしても、ホコリが付いているのを取ってくれるだけで、金が目的だろ?って思うようになった。
そして、家の中に、私の気持ちが安らげる場所はなくなっていた。次第に、宝くじを当てた私を知らない人と普通にいたいと思うようになった。
結果、私は、他の女性の元に家庭に無い安らぎを求めるようになった。人は、弱い。つくづく思い知らされた。
宝くじが当たって、なんとなく双方の考えが違っていることが目に見えるように解ってきた。
お金が絡むと、やはり所詮は他人。その使い道で、双方の意見が真っ二つに割れていた。
時間が経つにつれて、ギクシャクしていた。会話も少なくなった。見る目も変わった。コイツ・・・・・・・・・。
俺の当てた金を狙ってるって!もう、そんな目でしか見れなくなっていた。
独立の話になると、妻の機嫌は悪くなった

夢を語る夫に、現実主義の妻
私は、次第に苛立ちはじめていた。次第に会話も少なくなっていった

私には、自信があった
根拠はないけど、何とかなると
そして、私は妻の反対を押し切って会社を辞めた。。
そんな私に妻は、異常なまでのお金に対する執着心を見せていった


つづく
私が、大金を手に入れ買った物。・・・・・・本当に他愛もないもの。それが、携帯電話。もう2年位使っていたので、バッテリーも弱っていたから。
妻に言えば、ボーナスまで待って!と何度も断られ、欲しかった物の1つだ。
お金を手に入れてから、私が思ったのは、それまで、ロレックスであったり、高級車であったりと本当に夢は大きかった。
でも、それがいつでも買えるとなると、知らず知らずに欲しくなくなっていた・・・。本当にこれは、不思議だった。
そして、私は独立の話を本格的に妻に相談していった・・・・。
いずれにしても、1000万円は私達にとっては大金だった。ただ、あんなに欲しがっていた大当たりも、いざ、手に入れると使い方に困る。
ココが、凡人として生きてきた私達の大きなハードルだった。たぶん、テレビで同じようなのを見ると、以前の私なら「贅沢病」とののしったであろう。。
翌日、当選券は緊張感漂う別室によばれ現金化された。その日は、一睡も出来なかった。それだけ興奮していたから。
私は、妻に1つだけ欲しい物を買い与えた。妻は、15万円ほどのシャネルのバッグを1つ購入した。
そして、私が買ったもの。それは・・・・・・・。
1000万円のお金を手に入れることになった私達夫婦は、使い道にアイデアを出し合った。
妻は、現実的に貯金。私は、とり合えず欲しい物を、それぞれ購入しよう。そう切り出した。
それから、私は、このお金を元手に小さなお店が開きたいと独立を願った。これも昔からの夢。
当然、妻は、猛反対。
そうこう話ているうちに改めて、人間の欲深さを感じる。
そして、変な感情が込み上げてきた。当てたのは俺だ!!という気持ち。だから、どう使おうが勝手だろ?と。。。
こうして、徐々に人生の歯車は狂いはじめていた。私も、妻も子供達も。
目の前に置かれた当たりクジ。ほんの数分前までは、普通の紙切れだった。でも、今は価値が違う。
1000万円!
この紙切れが・・・・・。悩みに悩んだ挙句、私は妻を起こした。
寝起きで、機嫌が悪い。
・・・・・・・・・・。
これ、見てくれ!!
!?
ん?
は?
妻の目が、一気に覚める。
何度も、何度も見て確認している。更には、夢?と私に聞いてくる。1時間前の私の状態だ。
そして、夢でないことに気付いた妻と、相談することになった。不思議なもので、お金が入ると夫婦の中は、信じられないくらいにラブラブになる。
その後、私達は。
何度も何度も、見直した。信じられなかったから・・・。10分が過ぎ、20分が過ぎ。30分が過ぎていた。
それでも、夢だと思っていた。だから、何度も頬をつねったり、自分の顔をビンタした。
何度、おこなっても痛い!!
そう。明らかに現実だった。そして、私は、妻を起こそうと思った。その時、なぜか足が止まった。
ん?
まずは、誰に言えばいいのか?誰にも言わない?様々な思いが交錯した。例えば・・・・。